2026年6月4日 学校運営評議会 概要
2026年6月4日、東京国際フランス学園(Lycée Français International de Tokyo)の学校運営評議会が学園長(Proviseure)の議長のもと開催されました。定足数の確認後、評議会は議題、前回の学校運営評議会議事録、および2026年3月18日に開催された臨時学校運営評議会議事録を全会一致で承認しました。
1. 2026-2027年度新学期見込み
学園は2026-2027年度において、64学級・総生徒数1,626名を見込んでおり、現年度より増加する見通しです。
- 初等科:782名、32学級(1学級平均24.4名)
- 中・高等科:844名、32学級(1学級平均26.3名)
学級編成については以下の変更が予定されています。
- 幼児科で1学級を閉鎖
- 5eで1学級を新設
- 4eで1学級を閉鎖
- Premièreで1学級を閉鎖
- Terminaleで1学級を閉鎖
これらの変更に伴い、人的資源面では以下の影響が見込まれます。
- 初等教育教員1名の採用取り消し
- ASEM(幼児教育補助職員)常勤1名分の削減
- 中・高等科における超過勤務時間の削減
保護者代表および生徒代表は、特にTerminaleにおける一クラスごとの学級人数の多さについて懸念を表明しました。これに対し学園側は、現在の人数はフランス国民教育省の推奨基準(中等科30名、高等科36名)およびAEFEの推奨基準(中等科25名、高等科30名)を下回っていると説明しました。また、Premièreのフランス語授業における少人数グループ指導などの追加的支援措置も予定されていることが示されました。
さらに、少人数学級の利点と欠点についても議論が行われ、特に高等教育進学手続き(Parcoursup)の観点からは、必ずしも少人数であることが有利とは限らないとの意見が共有されました。なお、学級削減による教員ポストの削減は伴わないことが強調されました。
2. 2026-2027年度教育旅行
評議会は以下の教育プロジェクトおよび学園旅行を全会一致で承認した。
- CM1対象:妙高村自然体験学習
- Première・Terminaleのラテン語履修生対象:本州でのラテン語プロジェクト
- 香港との映画交流プログラム
- CM2および4e対象:御殿場研修
- 上海で開催されるProzapバスケットボール大会への参加
- プノンペンで開催されるModel United Nations(MUN)への参加
- ハノイで開催されるProzapチェス大会への参加
学園側は、これらのプロジェクト実施に向けた教員の多大な尽力に謝意を表し、保護者代表もこれに賛同しました。
また、今年度は連帯基金(Caisse de solidarité)が積極的に活用され、多くの寄付が集まった結果、経済的理由により参加を辞退した生徒は一人もいなかったことが報告されました。
3. 校則の改訂
初等科および中・高等科の校則について、AEFEの規定との整合性を図るための調整が提案されました。
主な変更点は以下のとおりです。
- あらゆる形態のたばこ製品の使用禁止に関する規定の明確化
- チャイム時間の改訂
- 認可基準に適合する55分授業の実施
- 休み時間(インタークラス)の独立した計上
- 午前8時以前および午後6時以降の授業を行わないことの明確化
これらの変更はすでに初等科学校管理評議会(Conseil d’école)、中・高等科生活委員会(CVCL)、中・高等科学校管理評議会(CSD)の承認を得ており、学校運営評議会でも全会一致で可決されました。
4. AEFE派遣教職員ポスト配置計画
学園側は2026-2027年度のAEFE派遣教職員ポスト計画を提示しました。
なお、現地採用職員についてはAEFEの管轄外であるため議論の対象外でありましたが、現地採用教員ポストの削減は予定されていません。
2025-2026年度における派遣教員ポスト30枠の内訳は以下のとおりです。
- 初等科:14名
- 数学:4名
- 英語:3名
- フランス語・文学:3名
- 歴史地理:2名
- SVT(生命・地球科学):2名
- SPC(物理・化学):1名
- 哲学:1名
しかし、このうち4ポストが未使用であったため、AEFEの調整により以下の削減案が提示されました。
- 初等科:1ポスト
- 数学:2ポスト
- 英語:1ポスト
各諮問機関は特に教育職ポストの削減について懸念を表明しました。学校運営評議会の諮問投票では、特に数学教員ポスト削減案に対して複数の棄権票および反対票が投じられ、学園に配分される教育資源への強い関心が示されました。
在外フランス人議員(Conseillers des Français de l’étranger)は、これらの削減は国家による公共教育サービスへの関与後退を意味するものであり、遺憾であると表明しました。
5. 保護者代表からの質問
生徒構成
学園側は2022年から2025年までの生徒数および国籍構成の推移を報告しました。
生徒数は以下のように推移してます。
- 2022-2023年度:1,516名
- 2025-2026年度:1,571名
国籍構成は概ね安定しており、以下の割合となっています。
- 日仏二重国籍:60%
- フランス国籍のみ:20%
- 日本国籍のみ:10%
- その他の国籍:10%
DAIS制度の評価
DAIS(包括的支援・学習支援制度)は本年度10名の生徒を受け入れました。
追加の個別支援員(AESH)は保護者負担となるものの、本制度の運営にはAESH1名と担当教員1名のみが必要でした。
教員からは以下の成果が報告されました。
- 特別な支援を必要とする生徒のウェルビーイング向上
- より個別化された教育の実現
- 学級環境の改善
- 教員・AESH・家庭間の連携強化
2026-2027年度には16名の生徒が本制度の対象となる見込みです。
保護者代表は、この制度の非常に良好な成果と全てのニーズに対応できたことを高く評価し、AEFEネットワーク全体でのさらなる周知を求めました。
EVARSプログラム
感情・人間関係・性教育(EVARS)について、学園側は以下を説明しました。
- 初等科では学習進度計画が策定済み
- 中・高等科では各教科への統合を進めています
保護者代表は、家庭への情報提供の充実と、法令で定められた年間3回の実施を確実に行うことの重要性を強調しました。
フランス語能力
Projet Voltaireなどの学習ツール利用についての質問に対し、学校側は教育手法の選択は教員の教育的自由に属する事項であり、同ツールに関する省からの特別な推奨は存在しないと回答しました。
模擬試験
模擬試験の日程変更については、現時点で正式な評価は行われていませんが、毎年教育チームと協議しながら運営方法を見直していると説明がありました。
新入生の受け入れ
新入生の適応支援については、
- 初等科では現時点で特別な課題は確認されていない
- 中・高等科では生活指導部門および学級担任が支援を実施している
さらにCVCLと連携し、受け入れ体制の改善について検討する可能性が示されました。
6. 学園長の任期満了
会議終了に際し、保護者代表および在外フランス人議員は、学園長の5年間の任期における尽力、献身、そして建設的な対話の質に対して感謝の意を表しました。
学園長はこの5年間を前向きに総括するとともに、後任者によって各種プロジェクトが引き継がれることへの信頼を表明しました。
会議は18時20分に閉会しました。
主なポイント
- 2026-2027年度の生徒数は1,626名を見込む。
- 複数の学級再編が予定されており、学級人数に影響を与える。
- 学園旅行計画および改訂校則は全会一致で承認された。
- 一部教員ポスト削減に対する懸念が表明された。
- DAIS制度は非常に高い評価を得た。
- 保護者からEVARSプログラムに関する情報発信強化の要望があった。
- 国際的な生徒構成は安定している。
- 校長の任期満了に際し、関係者から感謝が表明された。